店舗を持たない店舗誘導型!コカ・コーラのO2O戦略

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2013年36月、日本コカ・コーラがソニーの定額制音楽サービスと連携し、全国で「Share a Coke and Song」というO2Oキャンペーンが展開されました。

「思い出のそばにはコカ・コーラと歌がある」というコンセプトに、140万人を超える参加者が集いました。

専用サイトで再生回数を表示、消費者が思い出を重ねる

消費者は自分の好きな年のコカ・コーラを選んで購入。
パッケージには9桁のシリアルコードが印刷されており、
スマートフォン等を利用して、専用サイトにてシリアルコードを入力すると、ボトルに記載された年代別の国内外人気アーティストの10曲のプレイリストをフルバージョンで聴けるというものでした。

専用サイトでは、これまでの各曲の再生回数が表示されていて、人気のある曲が分かる仕組みになっています。
専用サイトを見てみると特に1998年が多く、98年はCDの売上が非常に多かった時期でもあり、消費者が当時と思い出を重ねた様子が伺えます。

SNS共有にも注力、売上アップにつなげる

同キャンペーンは他に、自分が手に入れたプレイリストをFacebookなどのSNSに共有できる仕組みも用意しました。

共有された情報から、プレイリストの各曲を30秒ずつ視聴することが可能で、消費者個々の思い出がコカ・コーラから音楽と共に解き放たれるのです。

この仕組みによって、コカ・コーラは売上も大きく向上。
前年と比べて売上が2桁も増えたということから反響の大きさが伺えます。

単なるクーポンに留まらない、感情を揺さぶるO2O戦略

本キャンペーンは売上に大きく反映されましたが、コカ・コーラのキャンペーンの目的はコカ・コーラのブランディングだったのではないでしょうか。

オフライン、オンラインの全ての顧客接点で大きく価値を高めることができたため、単なるクーポン施策になってしまうことが多いO2O戦略とは一味違った結果が出たのも頷けます。

消費者がテレビCM、広告でキャンペーンを認知。
店舗に行って、商品を手に取る。そこから音楽とウェブサイトというツールが入り口になり、あらゆる顧客接点でコカ・コーラと深く関わる。

消費者を大切な友人・知人として扱い、彼らの感情を揺さぶる体験を提供した販売戦略と言えるでしょう。

このキャンペーンは消費者の反響も大きく、
自分の生まれた年や、子供が生まれた年、結婚した日、出会った日など
思い出の「年」をキッカケにコカ・コーラを手にとる方が多くいたのだそうです。
「この曲懐かしい」、「はやっていた」など、音楽が中心となる感想も多かったと言います。

音楽という付加価値によって、音楽目的でリピート購入する消費者も続出。消費者の思い出の年が関連するコカ・コーラが次々と売れていきました。

この「懐かしい記憶」の回想を促すために、専用サイトでは570曲すべての楽曲の視聴を可能にしたと言います。

店員の協力も不可欠。キャンペーンの認知に注力

今回のようなキャンペーンは内容も新しく、複雑です。
そのため、店員の協力が必要不可欠でした。

店頭で4桁の数字が記載されたボトルを見て、「年」に関連している商品であると認識し、商品を購入するとその年の音楽が聴けるというキャンペーンだと、初見で理解することは難しかったことでしょう。
事実、賞味期限だと勘違いしてしまう方もいたようで、広く認知されるまで、このような問題にも対応しなければなりません。

ブランドに愛着を持ってもらう。それが店舗誘導型O2O

スマートフォンを用いたクーポン施策例を、O2Oサービスでは見受けます。

しかし、クーポン施策は結局安売りで、利益を圧迫してしまいます。

今後さらにクーポンなしで店舗に来てもらう店舗誘導型のO2O戦略が重要となってくるでしょう。

商品パッケージこそがO2O戦略の主体のため、オンライン、オフラインの双方で顧客満足度を高め、自動販売機、コンビニエンスストア、スーパーなど、コカ・コーラがある場所に行けば必ず商品を手にとってもらえるようブランドに愛着を持ってもらう。

コカ・コーラの本キャンペーンを理解すれば、
店舗を持たない状況でも店舗誘導型という新しいステージのO2Oに取り組む道が見えてくることでしょう。