ややこしい通話ステータスの話をコールトラッキングサービスのテスターに聞いてみた

通話ステータス

社内テスターが語るプロダクトテストの難しさ

さっそく、テスターの吹田さんにお話を聞いてみたいと思います。

コールトラッキングサービスのテストを行っているそうですが実際どのような作業をされているのでしょうか。

(吹田)実際に広告主と呼ばれる仮想の店舗をつくり、電話が正しくつながるか、通話状況のステータスを正しく拾えるかということを行っています。

どういったところに難しさを感じますか。

(吹田)応答の種類が多くてややこしいところです。

「電話が繋がらない」ひとつとっても転送先の回線状況に起因する場合、転送先の端末に起因する場合など少し違うだけでもステータスの扱いが異なるので正しい専門性が求められます。

なるほど、どれだけ種類があるか気になるので、シーン別に説明してもらえますか?

(吹田)はい、まず登場人物として必ず電話をかける人がいて発信者と呼びます。

一方でかかってきた電話を受ける人を受信者と呼ばせていただきます。

ごく普通のパターンからですが、発信者が広告や媒体を見て電話をします。

通話ステータス

電話をかけた先が美容室だった場合、店舗スタッフが電話対応のために通話ボタンを押して会話が始まります。

通話が成立した状態。これが正常通話です。

はい、大丈夫です。ついていけてます。

(吹田)続いて、店舗ではあいにくお客様にシャンプーをしている最中で手が離せない状態です。

他のスタッフがお昼休憩に入ってしまったのも重なり、かかってきた電話は鳴りっぱなし。

応答がないため、あきらめたお客さんは発信をやめてしまいます。

発信者が、自ら発信を止め通話に至らなかった場合は「無応答」というステータスになります。

かけた先が応答しなかったから無応答。わかりやすいです。

(吹田)続きまして、お客さんが電話を掛けたのに「ツーツーツー」という機械音が流れつながらない。

通常であればリング音と呼ばれるおなじみの「プルルルル・・」が流れるところが繋がる気配がない。これは電話をかけた先の回線が埋まっている状態を指します。

「通話中」という扱いになりますが、いわゆる黒電話などで受話器が上がっている状態もここに振り分けられます。

あまりないケースのように思えるのですが、サポートセンターで問合せを受け調査をしたとき、よくある原因の一つだそうです。

二つ以上の回線契約をしていて、複数の着信を受けられるような場合はあまりないかもしれません。

着信拒否されている場合などはどうなりますか?

(吹田)はい。あまり店舗から直接、着信拒否設定をされるケースは少ないのですが受信側で拒否している場合は「着信拒否」というステータスになります。

美容室や飲食店などの店舗型のビジネスの場合も、営業電話が多くかかってくると思うのですが媒体を見てしらみつぶしに電話をかけてくる営業マンもいます。

しつこい不快な営業マンの場合、ブラックリスト化して媒体全体で着信拒否の対象にすることもできますので、店舗側では気づかないうちに営業マンの不要な電話から業務を守られていることもあります。

それ以外に、媒体や店舗側で非通知拒否を設定している場合もあります。

非通知からの着信があり切断したという場合は「非通知拒否」という扱いになります。

単純に”つながらない”だけではなく原因もわかるようにステータスが細分化されているんですね。ありがとうございます。

(吹田)通話に至った場合も、会話前に行ったボタン操作の情報、通話終了の際に発信者と受信者どちらから切断を行ったかなど、より詳細に通話に注目することができます。

たしかに客商売なのにお店から電話を切るのは失礼ですよね。通話ステータスを見てオペレーションの改善ポイントが見つかるのですね。

通話のステータスひとつとってみても、細かい粒度で表現されているのは高度な技術のなせるワザで実際に不具合が起きたときに、原因の切り出しまでのスピードが格段に違うといいます。

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この記事を書いた人
テレフォニー技術に知見を持ち、でんとら編集部ではコンテンツ制作とビジュアルを担当しています。