スマートフォンやタブレットなどが普及し、インターネットを通じて情報を入手する人が多い時代となりました。
それでも一家に1台はテレビがあるという方は多いのではないでしょうか。
また、家にいる時は大半の時間テレビをつけているというような家庭もあり、テレビCMの効果測定は企業にとって重要となります。
情報番組などで紹介された健康商品や食材などが、翌日になるとスーパーマーケットやデパートの陳列棚から一気に商品がなくなり、売り切れ・在庫切れという現象を見たことはないでしょうか?
テレビの影響力はまだまだ強力で、「たまたま大好きな有名人が使っているのを見たから」、「有名なあの番組で取り上げられたから」という理由で商品が売り切れになったり、お店に行列ができたりといったことはよく聞く話です。
また、テレビによる宣伝効果の影響力は、思いもよらないところから起こることもあります。
現在ではテレビを見ていなくても、TwitterなどのSNSや、YouTubeといった動画サイトによって拡散されることで、さらに話題となる期待を持つこともできるでしょう。
こういった影響力を期待して「テレビに自社の広告を出してみよう!」と考える企業も多いと思うのですが、広告費用は現行のメディアの中で一番高いので、効果がでなかった場合のダメージを想像すると中々手を出しにくいものです。
しかし、テレビCMの全てが高い価格帯に設定されているというわけでもありません。
CMを放送する局、放送される時間帯だけでなく、スポンサーの事情で空きが出た場合など安くCMを放送することが可能となるケースもあります。
そのため、大企業でなくともテレビ広告を利用できるチャンスはあるのです。
テレビCMはタイムCMとスポットCMがあり、放映にかかるコストも異なります。
スポットCMとは特定の番組を定めず放映の時間帯を指定してランダムに流されるCMのことです。
放送局によってCM15秒当たりの放映費用がおおよそ定められており、パーコスト(視聴率1%に対して決められた金額)とのかけ合わせによってスポットCMが算出されます。
一方、タイムCMは特定の番組スポンサーとして番組の枠を買い取るイメージです。
スポンサーの頭数や顔ぶれのパワーバランスによっても変わってくるためケースバイケースです。
どの広告にも言えることではありますが、出稿したからには費用対効果をシビアに見なければなりません。
では、肝心のテレビCMの効果はどのように測定しているのでしょうか。
まず、視聴率を算出する方法はいくつかあり、日記式のアンケート、リモコン操作、視聴率測定器等を使って調査されています。
テレビCMを出稿した量と、調査視聴率を元にGRP(Gross Rating Point)という計測方法を使いテレビCMの効果を表します。
GRPとは、平均視聴率にCM本数を乗じた数値をいいます。
たとえば、平均視聴率10%のテレビ番組放映中に、5本のテレビCMを打った場合、GRPは50GRPです。
数値が高いほど効果があるといえるのですが、近年では、スマートフォンやタブレットなどの登場で、テレビをつけていても、CMや番組を断片的にしか見ていないケースもあり、GRPだけの計測値が正しい数値だとは言い切れません。
目の前で流れるテレビCMを、絶対に視聴者が見ているか確証が取れないためです。
TVがついていても、つけっぱなしにしていて実際は見ていないといったケースもあり得るため、絶対値を算出することは難しいのです。
また、録画などで番組を視聴する方の中には、CMを早送りして飛ばすなど、視聴方法も様々です。
このような、場合もあるためテレビCMの調査や分析には限界を感じる方もいるでしょう。
クリック数、ユーザーの行動も可視しやすく、コンバージョン率が計りやすいインターネット広告は1週間程度でデータが得れれるため、数種類の広告を同時配信した後、分析して最適化していくサイクルを高速で行えるのが強みです。
それに比べて、テレビCMの場合は、オンエアから効果を感じるまで時間がかかるのでオンエアされてから改善を行うのは難しいとされています。