従来の広告施策はテレビ、ラジオ、新聞などの媒体を使い広範囲な人へ画一的な情報を発信するマスマーケティングと呼ばれる手法が主流でした。
マスマーケティングは扱う媒体ごとに部署がわかれていたり、Webマーケティングと分断されていたりしたため統合的な評価が語られる機会がないという企業も多かったはずです。
しかし、現代のマーケティングは計測しやすいデジタルに主戦場が移行しているため、費用対効果を計測するのに手間を要するオフラインの計測は積極的に語ろうとしない傾向があります。
費用対効果が測りにくいということは改善を行う目安がないということになりますから、最適化しやすいデジタルを注視しようという判断に陥りやすいのも納得できます。
ですが、オフラインの効果測定が可能だとするとその判断も変わってくるのではないでしょうか。
実は近年、オフラインデータとオンラインのデータを連携させる動きが目立っています。
Yahoo!スポンサードサーチではオフラインコンバージョンのインポート機能が2019年11月に実装されました。
一足早く取り組みを進めてきたGoogle広告では、次のようなオフラインデータが取り込めるようになっています。
加えて、Google広告ではSalesforceのリード情報や営業ステータスをインポートすることが可能です。
つまりGoogle広告で投下したコストからオフラインの成果がどのように得られているかを測定できるようになります。
Google広告のヘルプページでも「費用対効果を正確に理解するためには、Google 広告キャンペーンの成果をオンラインとオフラインの両方で測定および記録することが重要」と説いています。
テレビCMの効果測定を完全に把握することは難しいですが、WEBとの因果関係に注目することで、テレビCMから流動したユーザーを把握することは比較的現実的です。
テレビCMを放映した直後に、ユーザーが商品のサービスを認知するとWEBでさらに詳細な情報を調べたり、注文数が増えたりします。
テレビCMのインパクトは大きいため、放送直後から訪問者数が増えるなど、時間帯やキーワードの計測を行うことで、テレビCMによってもたらされた影響をおおよそ測ることができます。
販売数や契約数といった売上に繋がる問い合わせが増えれば、テレビCMのコンバージョン測定に役立つでしょう。
もちろん、テレビCM専用の発番電話番号をCM中に掲載し、コールトラッキングサービスで直接的な反響を測定することもできます。
テレビCMからの直接効果であれば、コールトラッキングサービスを使った電話問合せの増減から評価を行うことができますし、テレビCMからWebサイトへの流入といった間接効果についてもCM前後の数値を比較して大よその反響を把握できます。
メディアや施策ごとではなく、オフライン、オンラインの統合的な評価を行い全体の最適化を行っていくことがこれからのマーケティングの目指す方向性だと感じています。