まだまだ便利に進化する電話。Googleが見せた電話 コミュニケーション2.0 

Google電話

◆番号検索機能

未登録番号をブロックしてくれるスクリーニング機能とは対照的に、ユーザーの電話帳に登録されていない電話番号を検索できるのが番号検索機能です。

端末の位置情報を有効にしておけば、電話帳画面から周辺にある施設や店舗の電話番号を検索し、そのまま表示された電話番号に対して電話を掛けることができます。

試しにGoogleアプリで近所の飲食チェーンを検索してみると、一瞬で最寄り店舗の電話番号が表示され、検索結果からすぐに発信できるようになっていました。

実際に番号検索機能を使ってみて驚いたのは、お店を検索して電話予約や問い合わせをするまでのプロセスが非常にスムーズなこと。

通常であればブラウザアプリで検索してヒット情報の中から施設や店舗の電話番号を選択して電話を掛けますが、Google電話アプリではブラウザを経由することなく店舗のコンタクト情報に辿り着くことができます。

また、施設や店舗名をピンポイントで把握していない場合でも、「コンビニ」や「ガソリンスタンド」のような一般名詞で周辺施設の電話番号を検索することも可能となっています。

現在はまだ位置情報の精度が低いキーワードもあるようですが、ユーザーにとって使い勝手の良い機能であることは間違いありません。

Android端末の国内シェアは50%程度 (Kantar, 2020) といわれていますが、今後番号検索機能があらゆるスマホ端末において電話アプリのスタンダードになれば、店舗への問い合わせ電話はこれまでよりも遥かに敷居の低いアクションになるでしょう。

Googleが示した電話の未来 店舗や施設のとるべき対策は?

これまではシニア層が好むレガシーな連絡手段というイメージがあった電話ですが、これだけ利便性の高い機能があれば、オンライン予約に傾きがちなデジタルネイティブ世代にとっても使いやすい問い合わせ手段となっていくはずです。

対策として、より多くのお客様を呼び込みたい施設や店舗は、ユーザーの検索アンテナに引っ掛かるためのインフラを整える必要があります。

Web情報に基づいて番号検索結果を出力するGoogle電話アプリでは、Web上に電話番号を掲載していなければユーザー端末に自社・自店舗を表示することすらできません。

Webサイトをホストしている施設や店舗であれば、電話でのコンタクトに備えて忘れずに番号掲載をしておきましょう。

さらに、複数の予約経路を用意している店舗は、Web予約と増加する電話予約を統合管理してダブルブッキングや予約漏れを防ぐ仕組みを考えていかなければなりません。

スマホの進化とともに変化の兆しを見せる電話コミュニケーション。

過去10年程はチャットサービスがコミュニケーションの主役を務めてきましたが、世界のITをけん引役するGoogleが電話のイノベーションに打って出たことで、電話の盛り返しが見られるようになるかもしれません。

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