オフィスのインフラとして長年当たり前のように維持されてきた「固定電話」。
しかし、テレワークの普及やチャットツールの活用が進んだ現代において、その利用頻度は劇的に減少しています。
さらに、昨今の物価高騰や通信キャリアのサービス見直し、基本料金や仕様の改定といった市場の変化に伴い、これまでは「少額だから」と見過ごされてきた「形骸化した固定電話回線の維持費」が、企業の利益を圧迫する隠れたコスト要因としてクローズアップされています。
特に多くの拠点を構える企業や、過去の組織変更で使われなくなった電話番号がそのまま放置されている企業では、年間で数十万〜数百万円もの「無駄な支出」が発生しているケースが少なくありません。
本記事では、総務・情シス部門が今すぐ取り組むべき「固定電話回線の棚卸し手法」と、休止・解約漏れを防いで劇的なコスト削減を実現する最新の電話DXソリューションについて解説します。
目次
まずは、日本国内における固定電話の利用実態と、企業が抱えるコストの現状を客観的なデータから紐解いていきましょう。
あるビジネスインフラに関する実態調査によると、「自社内に、ほとんど着信も発信もないが解約せずに維持している固定電話があるか」という問いに対し、約38.2%の企業が「ある」、または「ある可能性が高いが把握しきれていない」と回答しています。
【オフィスにおける固定電話の利用実態】
・毎日頻繁に利用している ────── 28.5%
・特定の部署のみ利用している ──── 33.3%
・ほとんど使っていないが維持している ──── 38.2%
この「ほとんど使っていないが維持している回線」の多くは、以下のような理由で発生します。
企業の固定電話(法人向けアナログ回線やISDN、ISDN移行後のIP電話など)は、1回線あたり月額数千円の基本料金がかかります。
さらに、ビジネスフォンを稼働させるための主装置(PBX)の保守費用や、回線追加に伴う機器のリース代などが加算されます。
仮に、1回線(および付随するシステム維持費)に月々4,000円を支払っているとします。
これが社内に「10回線」眠っていた場合、それだけで年間48万円の純損失となります。これが5年、10年と放置されれば、数百万円規模の資金をドブに捨てていることと同じになってしまうのです。
「無駄なら解約すればいい」というのは簡単ですが、実際に現場を管轄する総務部門には、そう簡単には動けない特有の事情があります。
長年継ぎ足しで契約してきた電話回線は、契約書面と実際のデスク上の電話機、さらにはビジネスフォンの主装置(PBX)の設定が複雑に絡み合っています。
「この番号を解約したら、実は重要な取引先からの緊急連絡窓口だった」
「Webサイトの深い階層に記載されている番号だった」
というリスクを恐れるあまり、総務担当者が独断で解約に踏み切れないという心理的障壁があります。
複数の拠点やフロアを持つ企業では、通信キャリア(NTT東日本・西日本やKDDI、ソフトバンクなど)からの請求書がバラバラに届いたり、複数の回線が1枚の請求書にまとめられていたりと、内訳の把握が極めて困難です。
「ダイヤルイン追加番号」「マイライン登録」「付加サービス利用料」など、専門用語が並ぶ請求書を1行ずつ精査するには、膨大な工数がかかります。
従来のオフィス電話は、壁の中に張り巡らされた電話線と、サーバー室などに設置された物理的な「主装置(PBX)」で制御されています。
回線を1本減らすだけでも、電話工事業者を呼んで主装置の設定変更(データ設定)を行う必要があり、「コストを削るために、一時的な工事費用(コスト)が発生する」という矛盾が生じるため、後回しにされがちです。
通信料金やインフラ維持費の改定・見直しが進む今こそ、これら「3つの壁」を乗り越えて回線のスリム化を実行する絶好のタイミングです。
総務部門が今すぐ実践すべき棚卸しの手順を紹介します。
【回線棚卸しの4ステップ】
[STEP 1]
請求書の全件洗い出し ── 契約しているすべての回線とオプションを可視化
↓
[STEP 2]
着信履歴のログ調査 ── 過去3〜6ヶ月で「入電ゼロ」の番号を特定
↓
[STEP 3]
休止・解約の即時実行 ── 不要回線を切り離し、固定費を即座に削減
↓
[STEP 4]
電話インフラのクラウド化 ── 物理的な縛りを無くし、今後の管理を自動化
まずは会社宛てに届いているすべての通信費の請求書を集約します。
基本料金、通話料の内訳、契約している付加サービス(キャッチホンや転送サービスなど)をスプレッドシート等にリストアップし、「どの拠点・どの部署の、どの番号にいくら払っているか」を1つの表にまとめます。
主装置(PBX)の管理画面や、通信キャリアが提供するWeb明細サービスを活用し、過去3ヶ月〜6ヶ月の間に「発信も着信も1回も行われていない番号」を特定します。
いきなり解約するのが不安な番号については、まずは「アナウンス付きの着信転送」を設定するか、一時的に主装置側で着信を切断し、社内外からクレームや問い合わせが発生しないかを1〜2週間テストします。
問題がなければ、速やかにキャリアへ連絡し「休止」または「解約」の手続きを行います。
回線をスリム化した後は、二度とこのような「管理漏れ・解約漏れ」が発生しないよう、電話インフラそのものをデジタル化(クラウド化)することが最も確実な防衛策となります。
不要な固定電話回線を整理し、今後の維持費・管理工数を最小限に抑えるための決定打となるのが、コムスクエアが提供するクラウドPBX「ボイスクロス(VoiceX)」です。
ボイスクロスは、オフィス内に設置されていた重厚な電話主装置(物理PBX)や複雑なアナログ回線網を、すべてインターネット上のクラウドへと移行させる最先端の電話DXソリューションです。
【ボイスクロス(VoiceX)公式Webサイト】
固定電話の料金見直しを機に、オフィスの電話をスマートにクラウド化。詳しい機能やコスト削減シミュレーションは、こちらからご確認ください。https://voicex.jp/
通信環境の変化や基本料金・仕様の改定が話題となる今、固定電話の維持コストを見直すことは、総務部門にとって単なる「目先の節約」に留まらない重要な意味を持ちます。
形骸化した不要回線を洗い出して解約し、残った電話インフラを「ボイスクロス」のようなクラウド型へとシフトさせることは、固定費の劇的な削減をもたらすだけでなく、従業員の柔軟な働き方(テレワーク)を支え、総務の管理工数を圧倒的に削減する「真の電話DX」へと繋がります。
「使っていないかもしれない回線」に毎月コストを支払い続ける前に、ぜひ一度、自社の電話環境の棚卸しと、クラウドPBXへの移行を検討してみてはいかがでしょうか。

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