◆スマート農業の発展
私たちが生きていく上で切っても切り離せない食料。
特に穀物や野菜といった農業においては、土を耕し、水を活用し、気候や天候といった不確実な環境の中で生育させなければならず、高度な技術と知識が必要不可欠です。
そんな農業分野は昔ながらのくわやすきを使った手作業から、耕運機やトラクターを利用した機械へと力仕事は移行し省力化は進んでいましたが、さらにICTやロボット、AIなどの次世代の技術によって大きく様変わりしています。
大型のビニールハウスの中では温度、湿度、日照時間、土壌水分量まですべてセンサー管理され農作物に必要な環境を自動で管理・運用されています。
それはまるで、人体の調子を整える恒常性に近いものを感じます。
◆スマート農業がさらに発展するためには
企業が大規模な農園でスマート農業を進めていくことは日本ではすでに推し進められていますが、日本の農業を支えている大部分は未だ個人の農家がほとんどです。
さらに日本の農家の高齢化は年々進んでおり、多くの農業従事者がワンオペで農作物を育てているのが実情です。
年齢を重ねられた方ほど一般的にICTやロボット、AIなどの次世代技術の活用に難しさを感じていたり、抵抗感があります。
そういった意味ではあまねく農業従事者が分かりやすく、簡単にスマート農業をスタートできる環境を構築していくことが結果的にスマート農業の普及の後押しとなり、生産性を高めていくことにつながります。
ただし、スマート農業といってもすべてが自動化できるわけではなく急な環境変化などのトラブルや異常があった場合は、人が気づき対応に当たる必要があります。
セキュリティや、監視製品の世界では危機や事故につながる危険性のことをインシデントと言います。
スマート農業においても予想外のアクシデントに見舞われた際に、インシデント発生の検知が遅れると最悪な場合、農作物への影響が起こり経済的な損失につながりかねません。
問題の検知だけではなく、検知した異常をどのようにして、確実に人に知らせ、問題を解消するまでをスピーディに行えるか。
それはスマート農業をさらに発展させる上では重要なことかもしれません。