新型コロナウィルスの感染拡大は生活者の消費行動や、生活リズムを大きく変えました。
本来であればオリンピック特需に湧いていたはずの業界も、生き残るために手を尽くさなくてはならない状況に追い込まれ、不安と隣り合わせという状況です。
一方で、変化はチャンスととらえ「この機会だからこそできること」に目を向け知名度や、信用を高めている企業も存在します。
売り上げを伸ばすことは、もちろん重要ですが現場の混乱やスタッフの安全確保といった保全に気を配れる目線はお客様はもとより従業員の信頼関係を強固にしてくれるでしょう。
不安なときや、弱っているときは人間性が露わになると言います。
今回のコロナ禍でも、スーパーの棚から食料品が一斉になくなったり、トイレットペーパーなどの生活必需品の買いだめが起こったり、マスクを買うために薬局には朝から長蛇の列ができるといったニュースが連日のように流れていました。
マスクの入荷についての問い合わせがひっきりなしに起こるという現象に悩まされたドラッグストアでは、店頭にマスクの在庫はないという張り紙を設置し、従業員の対応負担を軽くするなどの対策を行っていました。
大手ドラッグストアの、サツドラドラックではマスクの入荷に関する電話問い合わせがひっきりなしにかかってくるという状況を受け早い段階から、対応策を打ち出し混乱を最小限に抑える動きを取っていたようです。
・開店直後のマスクの販売をやめる旨、店頭やSNS上で告知し行列の緩和を行う。
・お店への電話を本社で対応する。
開店直後は、商品の品出し作業などもある忙しい時間帯であることを理解し、その時間帯の混雑や対応が集中する事態を和らげようという配慮があったことは好感をもって受け入れられました。
我先に、開店前から行列を作る人たちを責められるかというと難しい問題です。
転売目的であれば非難されるとしても、自分が感染源になってしまうと周りに迷惑をかけてしまうという考えからマスクの確保に動いているのかもしれません。
薬局、ドラッグストアでは入荷のタイミングや在庫確認目的の電話が多く寄せられ、業務の妨げになっていたといいます。
webやSNSでお答えできないという掲示があったとしてもすべての人の目に留まるわけではありませんし、見ていたとしても気にせず電話をかけてくる人はいるでしょう。
そのような、多くのお客様からの多様な問い合わせに対し効率よく対応することはできないでしょうか?
一つの対応策として、専用ダイヤルを設け、一次応答は機械が対応する仕組みで対応することができます。
最初の対応を機械が行うので、人が対応する時間を圧倒的に減らすことができます。
たとえば、次のようなガイダンスで振り分けが行えます。
「マスクや消毒液の在庫に関するお問い合わせは①を、営業時間に関するお問い合わせは②を、その他のお問い合わせの場合は③を押してください。」
①、②の情報は画一的な内容ですので端末あてに最新情報が更新されたSMS(ショート・メッセージ・サービス)を送るといった対応で大部分が解決します。
ただし、SMSを受け取れない電話機もありますので電話口でお伝えしたほうが親切といえます。
このようにガイダンスをひとつ挟むことにより③だけを人が応答するという選択ができるのです。
これは、コロナ対策に限ったことではなく、電話応対に追われる窓口では取り入れることができる働き方改革の一環です。
デジタル弱者といわれるネットに触れる機会に乏しいお客様には記載しているページを見つけられない、たどり着けないという難点があります。
そこで、SMSを経由して気になっている事柄について記載しているページにたどり着けるよう案内することで、電話による待ち時間やつながりにくいストレスから切り離してくれるのです。