リモート移行が困難なコールセンターという3密職場環境。今、求められる働き方の変化

コールセンター労働環境

新型コロナの緊急事態宣言が解除されましたが政府は、あくまで段階的という条件を念押ししています。

一気に気が緩むことで、第二波、第三波の感染拡大が懸念されるためです。

3密(密閉、密集、密室)環境での業務が行われていながら、コロナ感染拡大以降もリモートワークへの切り替えに舵を切りにくかった業種の一つにコールセンターやコンタクトセンターがあります。(以下Cセンター)

 

感染のリスクを不安に思うKDDI社のCセンター勤務のオペレーターが会社側に、団体交渉を申し入れたニュースは多くの議論を巻き起こしました。

自宅待機などから巣ごもり消費が増し、Cセンターは普段より忙しい状況が続いていたといいます。

 

様々な商材、顧客情報を取り扱うCセンターは個人情報の宝庫であり自宅などのテレワーク環境からアクセスできてしまうことは個人情報流出のリスクと隣り合わせにあります。

 

◆コールセンター業務をテレワークにシフトすることは不可能なのか

Cセンターでは、シビアな個人情報の管理が求められ、スタッフの服務規程として徹底されています。
そのため、レイアウト変更で間隔を広く保つ工夫や、時差出勤、機器の消毒、換気などの対策以上の改善が見受けられなかったというCセンターも多く存在しているのではないでしょうか。

 

グループウェア開発のサイボウズ社は、コロナ以前よりリモートワークを推進してきたことでも知られています。

 

しかし、他社よりも経験値豊なサイボウズ社の青野慶久社長もコールセンターだけはオンライン移行が難しいとしており、理由には、やはりセキュリティーの問題を挙げています。

 

契約状況、利用状況などの機密情報はデータベースを参照する必要があります。

 

閲覧にアクセス制限をかけながらメールやwebのみの対応に限定して行っているとのことで、これまで通常行っていた電話の対応はできていないのが現状のようです。
電話の方が伝わりやすいニュアンスもあるため、機会損失がにつながっている恐れもあり今後の課題と感じているそうです。

 

一方、リモート環境へ移行したCセンターの成功例がないわけではありません。

 

保険会社のチューリッヒでは従来より仮想デスクトップ環境で社内システムにアクセスしており、個人情報は社内ネットワーク外に持ち出すことできない設計のようです。

 

そのような整備が整っていたことが優位に働き、早い段階で全体の95%が在宅勤務にシフトできたといいます。

 

また、海外ではドイツテレコム(通信会社)が、サービスセンター勤務の7000人すべてをわずか4日でテレワーク勤務へ切り替えたという実例も挙がっています。

 

では、個人情報の扱い方がクリアになれば他のCセンターでもリモートワークへの移行は可能だったのでしょうか。
個人情報の問題以外にもネックになっていた要素はなかったのかを解き明かしていきます。

 

 

◆コールセンター従事者でもリモート対応を行いやすい立場もいる

オウケイウェイヴ「サポート業務のリモート対応実態調査」は非常に興味深い内容となっています。

 

この調査によると、管理職としてCセンターの運営を管理する立場に当たる方は比較的リモート移行しているのに対し電話による対応を行うオペレーターはなかなか難しいとの回答結果があります。
また、リモートワークへ移行できない理由として最も多いのが「環境の不整備」となっています。

 

次いで多く上がっているのが「セキュリティ」です。

 

自宅に職場と同等に近いPCがない、ヘッドセットがない、受電環境がないといった設備面が賄われていないことがセキュリティ面よりも課題として捉えられているようです。
また、トークの台本(スクリプト)や想定問答集(FAQ)、顧客管理やモニターできる設備も含まれていると思われます。

しかしながら、従事者の間ではテレワーク勤務を希望する声は少なくないようです。

 

お客様の目線に立ちながらも、従業員の働きやすい環境を築いていくうえで無視できない要望です。

 

今後、Cセンターとしてはどのようにバランスをとっていくことが無理のない形なのか探っていくことが求められていくでしょう。

 

 

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でんとら
この記事を書いた人
ビジネスシーンにおける電話の役割は実に多種多様。 電話にまつわる”あれこれ”をお届けしていきます。