お店やサービスの情報を掲載する広告媒体(メディア)が広告収入を得る方法は大きく2種類に分かれます。
広告枠を買い取り掲載する固定費型と、成果に応じて課金される成果課金型、もしくは2つを組み合わせたハイブリッド型です。
雑誌の表紙裏や背表紙は目に触れやすい分、誌面よりも高額に設定されています。
目立つ場所や、枠の大きさ、などより多くの接触(インプレッション)が期待できる広告枠は高値の高額設定となっています。
しかし、確実に期待値通りの効果があるという保証はありません。
広告主にとっては、「目に触れること」よりも「購買や売上が発生すること」の方が重要であることが一般的です。
主にWeb広告での「成果」を表す「コンバージョン」にも、段階があります。
「問合せがあった」ことも成果に違いありませんが、もっと奥まった成果地点である「最終コンバージョン」は売上が発生したことを指します。
コンバージョン地点をどのように定めるかはメディア側の個性にもよりますが、コンバージョンの発生をもって広告主には成果に応じた課金が課せられることになります。
注文や問い合わせをオンラインで完結する場合、成果を管理するのはそれほど難しいことではありませんが電話などオフラインの場合はコールトラッキングサービスを利用しなくては正しく捕捉できません。
成果課金型のメディアは適正な請求を行う必要があるため、しっかりと成果件数や成果金額を把握する必要があります。
一方、固定費型のメディアは成果を把握する必要がないのかというとそうではありません。
広告主は、数ある出稿媒体の中から今後も付き合っていきたい媒体を品定めしています。
「このメディアは、全然問い合わせがこないのに料金が高い」という印象を持たれてしまっては契約を更新してもらうのが難しくなります。
「うちの媒体からのお客さんがこんなに発生している」という成果を広告主にわかりやすく示してあげなくては引き続き出稿したい!という動機を与えられないかもしれません。
そのため効果測定を行い、費用対効果の面からもメディアパワーを評価してもらう努力を多くのメディアでは行っています。
目次
メディアの料金体系に成果課金を採用している理由の一つに安心感があります。
発生した成果の料金分しか料金をいただきませんよ。というセールストークは、「固定型のメディアに出稿したけれどまったく集客につながらなかったら損をする。」という広告主の心理をやわらげることができます。
成果が発生しなければ、広告主もメディアも得しない構造になっていますのでまずは広告主の頭数を集めなくてはならないスタートアップメディアなどにも扱いやすい建付けになっています。
成果課金型のメディアは成果を抜け漏れなく正確に把握しなければなりません。
また、成果課金の成果地点を双方の共通認識として理解しておくことが重要になります。
例えば、「電話の問い合わせが入った」だけでは間違い電話の可能性もあります。
2件の電話が発生していたとしても同じ人が二度かけてきたという可能性もあります。
そのため、次のような取り決めを事前に行い、理解してもらうことはフェアに取引を行うために工夫といえます。
開始して間もないメディアでは成果は発生したにもかかわらず、「契約になってないから払わないよ。」と広告主が主張し成果課金の踏み倒しが起こるケースもあります。
そのようなトラブルを避けるためにも、成果を見逃してしまう抜け穴をふさいでおき公平性を担保する配慮が求められます。
では成果の抜け穴とはどのようなケースでしょうか。
この場合、スタンダードなコールトラッキングでは成果としてカウントすることはできません。
メディア側は課金できるべき成果をカウントできず、結果的に請求できないことになります。
広告主が電話に出られなかった際に、発生した時間や発信元の電話番号をメールなどで知らせて機会損失を減らす機能は一般的なコールトラッキングサービスに実装されています。
しかし、折り返した電話をトラッキングできなければ今度はメディア側にとっての機会損失になってしまうのです。
この仕組みを悪用する広告主もゼロではないため、不正な運用を行っていないか目を光らせておくことも運用における知恵といえます。
すべての通話をチェックするのは難しいとしても録音機能が適用されているというだけで、不正をけん制する効果は期待できると考えられています。