2020年春頃から急速に感染拡大した新型コロナウイルスや政府による緊急事態宣言の発令を受け、日本でも数多くの企業で売上が落ち込みました。
中でも一般消費者向けにサービスを行っていた企業では従来のかたちでサービスを提供することができず打撃を受けたと聞きます。
たとえば、外食産業や旅行業界といった外出機会減少による影響を直接的に受けてしまう業界では、緊急事態宣言が複数回にわたって発令された首都圏・関西地域において、店舗縮小や経営破綻が相次ぎました。
それに呼応するように、これらの業界と新聞広告の関係性も大きく変化しました。
とくに、新型コロナ流行以前は毎日のように目にした海外ツアーの紙面広告は、渡航制限が出されて以降ほとんど見かけなくなったはずです。
ツアー客が利用する航空会社や国外宿泊施設からの売上に支えられていた旅行代理店は、予算を投じて新聞広告を出稿する意義を失ってしまったように感じます。
そもそも海外への渡航自体ができければ、海外旅行ツアーの広告を打ったところで売上の期待は薄いでしょう。
しかしワクチン接種が進んだいま、苦境に立たされてきた旅行業界にも微かな追い風が吹き始めています
それは、新聞閲読時間の増加と政府のGoToキャンペーン再開。
日本新聞協会によれば、緊急事態宣言を受けて自宅で過ごす時間が増えた結果、紙と電子版の両媒体において新聞の閲読時間が長くなってきているようです。
参照 新型コロナウイルスとメディア接触・信頼度調査より
https://www.pressnet.or.jp/adarc/data/features/features.html
統計の中で明確な原因は述べられていないものの、自粛中に自宅で読み物をするゆとりが生まれたことや、ウイルスの発生源やワクチンの副反応について情報が錯綜する中、比較的信頼度の高いニュース媒体として読者の関心が高まったことなどが新聞閲読時間の増加に繋がったのではないかと推測できます。
それに加え、パンデミック以降急激に業績が落ち込んだ外食・観光産業を活性化する名目で2020年秋に実施されたGoToトラベル・GoTo eatキャンペーンを、2022年年明けから再開することが検討されています。
国内施設限定で宿泊代や飲食代の割引されるクーポンが配布された第1回のキャンペーンでは期間中に6,850万人/泊分ものクーポン利用が発生し、一定の活性化効果が確認できました。
施策自体への賛否は分かれるものの、前回のキャンペーン効果を鑑みれば、GoToトラベル再開後にも相当数の宿泊予約が生まれるのではないでしょうか。
海外旅行に関しては今後も自粛が続きそうですが、国内旅行が再び活性化の兆しを見せているいま、広告代理店の新聞広告も徐々に活気を取り戻すことが予想できます。
とはいえ、相変わらず経営状況の厳しい観光産業では、限られた広告予算を無駄にすることはできません。
コロナ禍以前よりも正確に広告効果を測定し、出稿媒体の見極めや出稿機会の取捨選択をすることが求められています。
では、新聞広告の集客効果を測定するためには、具体的にどのような手段を取ればよいのでしょうか?