コールセンターに業務委託している事業者がコールトラッキングサービスを併用する意外な理由

コールトラッキング併用

普段、皆さんはどのような連絡手段を主に使っていますか。
友人や恋人など親しい間柄であれば電話やSNS、急ぎの要件は電話、あとで見返したい内容はメールなど、相手やシーンに応じて使い分けている方が多いのではないでしょうか。

「SNS以外ではやり取りしない」「電話には出ない」という人も一定数いるかもしれませんが、ビジネスシーンにおいて理想的なのは、お客様にとって都合のよいコミュニケーション手段を選べる状態です。

近年では、コーポレートサイトや名刺にあえて電話番号を掲載しない企業も増えています。
「リアルタイム対応が求められる電話は、スタッフの集中力を妨げる」という考えのもと、電話取次自体をオフィスから切り離す方針を取る企業も珍しくありません。

電話対応を外部に委ねることで、
・自分のタイミングで問い合わせに対応できる
・不要な営業電話に時間を取られない
といったメリットがあり、「業務効率が上がった」「本来の業務に集中できるようになった」という声も多く聞かれます。

一方で、電話で問い合わせをしてきた顧客側の視点は、語られる機会があまりありません。
もし、問い合わせをしたその瞬間に課題を解消できていれば、購入や契約に至っていた可能性は十分にあります。
対応が後手に回ったことで、結果的に他社へ流れてしまった──そんなケースも決して少なくないはずです。

特に、不動産の物件問い合わせや一括見積サイトを利用するビジネスなどでは、スピード感が成果を大きく左右します。
「折り返しを待っている間に、すでに他社と話が進んでいた」という事態は、機会損失の典型例と言えるでしょう。

問い合わせを受ける窓口の多忙かつ広範な業務

コールセンター/コンタクトセンター(以下Cセンター)では、日々膨大な問い合わせ対応が行われています。
規模や運営形態もさまざまで、外部委託型・自社運営型、インバウンド専門、アウトバウンド専門、あるいは両方を担うハイブリッド型など、その形態は多岐にわたります。

電話に加え、メールフォームやチャット対応が当たり前となった現在、Cセンターのオペレーターには高度で幅広いスキルが求められています。
対応スピードや品質が重視される一方で、「席数」や「人員」といったリソース配分には非常にシビアな業界です。

問い合わせ件数は常に一定ではありません。
想定を超える入電が重なれば、話し中や待ち時間のアナウンスが流れ、オペレーターと顧客の会話自体が成立しない状況も発生します。
Cセンターでは、このような対応しきれなかったコールを「あふれ呼(アフレコ)」と呼びます。

回線や人員が埋まっている場合の選択肢は、主に以下の4つです。

・順番待ちをしてもらう(コールキューイング)
・改めてかけ直してもらう、またはWeb問い合わせへ誘導する
・その場で切ってもらい、後ほど折り返す
・あらかじめ設定した別の転送先へ転送する

Cセンターでは、対応品質向上やサービス改善を目的として、通話履歴や通話録音をログとして蓄積しています。
これは、WEB広告業界で行われているアトリビューション分析と非常に近い考え方です。

どのようなやり取りが成果につながったのかを振り返ることで、対応マニュアル(トークスクリプト)は洗練され、経験の浅いオペレーターでも成果を出しやすくなります。

◆コールセンターでのコールトラッキングニーズの高まり

外部のCセンターへ業務を委託している場合、通話履歴管理や通話録音といった基本的なコールトラッキングの機能はすでに備わっています。
それにもかかわらず、事業者側であえてコールトラッキングツールを導入したいという声は年々増えています。

その背景には、
・実際にどのような会話が行われているのか
・対応品質は適切か
・機会損失や対応漏れは発生していないか
・委託コストに見合った成果が出ているか
といった点を、自社の視点で正しく把握したいというニーズがあります。

Cセンターからの報告だけでは、実態を十分に判断できないケースも少なくありません。
また、対応業務を委託していたとしても、顧客の潜在的なニーズや改善要望を自社で吸い上げ、事業に活かしたいと考える企業は増えています。

特に近年は、
・一次対応後の折り返し
・コールバックを含めた一連のやり取り
まで含めて、顧客体験を通して可視化したいという要望が強まっています。

通常、
①お客様からの電話
②オペレーターからの折り返し
は別々のログとして扱われ、トラッキングが分断されてしまいます。

チャットやメールではスレッド単位でやり取りを追えますが、電話ではそれが難しいのが現状です。

電話問い合わせをスレッドに


これを解決するためには、動的に払い出したトラッキング番号をPBXと連携させ、通話同士を紐づける高度な仕組みが必要となります。

顧客のペルソナに迫る時代へ

個人情報への配慮が求められる一方で、企業の関心は統計データだけでは捉えきれない「個」の声へとシフトしています。
電話問い合わせが「ありがとう」で終わったのか、「不満を残したまま」終わったのか──その違いは、委託事業者にとって非常に大きな意味を持ちます。

なぜ問い合わせが発生したのか。
その課題は解消できたのか。
改善すべきポイントはどこにあるのか。

こうした一つひとつのログと向き合うことが、顧客体験(CX)向上につながります。
統計に埋もれがちな声に耳を傾け、真の改善につなげていく姿勢が、これからの企業には求められています。

コールセンター委託でも「見える化」を実現する―コールトラッカーという選択肢

外部のコールセンターに対応を委託していても、顧客との電話コミュニケーションを自社で正しく把握することは重要です。
コールトラッカーは、入電から折り返し対応までを一連の流れとして可視化し、通話ログ・録音・広告流入元などを紐づけて分析できるコールトラッキングサービスです。
対応品質や機会損失を把握し、マーケティング改善やCX向上につなげたい企業にとって、委託運用を補完する有効な手段となります。

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