SMSは電話番号が分かれば届くことと、メールアドレスのように簡単に変更できないため到達率が99%以上といわれています。
開封率(実際に見てもらえた率)にしても90%と高い水準で、この数字は驚異的です。
なぜなら、一般的にメールマガジンなどで企業が顧客に対して案内を出してもスパム判定されたり、迷惑メールフォルダに振り分けられたり一般的には10%程度しか見てもらえないといわれています。
ですから、SMSには「ほぼ間違いなく届く、見てもらえる」という他の手法では真似できない強みがあります。
IVRで受付を自動化しても、ユーザー側に通知がなければ本当に送迎に現れるのか不安を覚えてしまいます。
このようにシステムをうまく自動化することで人為的な伝達ミスや、送信忘れが起こりにくくなり結果的にユーザビリティが向上します。
この一連の仕組みをアプリに置換えることはそう難しくはありませんがやはり、アプリに不慣れな世代や端末の相性で二度手間を招く可能性も高まるのです。
ユーザー目線に立った時、だれもが使いやすいという初歩的な条件をクリアするという点で非常に優れた仕組みといえます。
◆コールセンターを持たずに受付を半自動化した廃品回収事業者の例
近年、終活や断捨離という言葉がよく聞かれるようになりました。
不要なものを片つける際には、廃品回収事業者に声がかかります。
全国展開している事業者もあれば、限られたエリアのみで営業を行う事業者も存在します。
後者の場合、どのエリアに回収に呼ばれたかによって対応が異なる場合もあります。
そのため、一度IVRで集荷に来てほしいエリアを確認したうえで折り返しとする仕組みを導入している事業者もいます。
ユーザーは、一度電話をかけるのですが通話は発生せず集荷の情報をボタン操作で入力し折り返しを待つことになります。
一方、事業者はコールセンターや受付のスタッフを用意することなく携帯電話ひとつで受付に対応することができます。
IVRで操作された内容と、折り返し先の番号を記載したメールが携帯に届くのです。
この仕組みの利点は、問い合わせを受けた事業者が対応できるのか、割に合うのかを判断したうえで連絡できることです。
もしかすると、ユーザー側はいくつかの会社に問合せ条件の合致した事業者に依頼したいと考えているかもしれません。
その場合、柔軟できめ細かい対応がしにくく、他社に遅れをとる可能性はあります。
しかし限られたリソースで事業を効率化していく考え方と非常に相性のいい解決策です。
◆まとめ
今回、紹介した事例のように、コールセンターの負荷を少なくしたりそもそもコールセンターを持たずに受付ができる仕組みは実質、コストダウンにつながった好例です。
働き手が少なくなっていくといわれる中で、システムに上手に働いてもらうことで手が回らなかった部分を肩代わりさせることができるかもしれません。
また、定型業務を黙々と消化してくれるRPA(ロボティクスプロセスオートメーション)と組み合わせることでさらに多様な自動化の仕組みが整備できるでしょう。
上手にオペレーションに組み込むことであなたの業務効率を何倍にも引き上げてくれる可能性もあります。
ぜひ、システムやロボットを組み合わせて業務の自動化の仕組みを考えてみてはいかがでしょうか。