皆さんは番号ポータビリティという言葉をご存じでしょうか。
かつて、携帯キャリア間で顧客の奪い合いが激化し、他社からの乗り換えには高額なキャッシュバックや、高価なノベルティなどが用意されていました。
携帯電話の利用料金を抑えられるので、節約の知恵としてキャリア間の乗り換えを巧みに利用し渡り歩いている強者もいたほどです。
キャリア乗り換えには、賢く通信費用と付き合っていけるメリットがあるにもかかわらず、一度定着したキャリアから鞍替えする踏ん切りがつかなかったユーザーは意外と多かったはずです。
その理由として、連絡先としての電話番号の信頼性が高かったことが挙げられます。
「電話番号が変わると大事な人からの連絡が取れなくなるから困る」
という不安からキャリア変更することへ抵抗を抱いていた時代にくらべると、電話番号そのものに固執する考えは薄まったように感じます。
◆電話番号が変わることがそれほど重大ではなくなった理由
仮に、あなたが久しぶりに電話をした相手の連絡先が変わっていて音声ガイダンスが流れてきたとしても八方ふさがりというわけではありません。
電話番号がつながらなくなっていたとしてもLINEやSNSで連絡することができますし、キャリアメールが届かなかくなっていたとしてもGoogleやYahooなどのフリーメールに連絡することもできます。
電話以外の連絡手段が、私たちの暮らしのなかで一般的になってきたため電話番号が変わることへのこだわりもそれほどではなくなってきたと考えられます。
◆「連絡先」は変わりゆくもの
よくよく落ち着いて考えると、連絡先というのは変わるものです。
転職すれば勤務先も変わりますし、引っ越しすれば住所も変わります。
変更したタイミングからしばらくの間は、郵便物も転送できるように、切り替えの期間は追いかけることができるような準備をしておくことでトラブルも起こりにくくなるでしょう。
また、効果測定用の電話番号が想像以上に身の回りには溢れていることも私たちの意識に変化をもたらした可能性もあります。
例えば近くで静かなレストランを探したいとき、ある人はGoogleマイビジネスの地図情報からお店を検索し、ある人はグルメサイトやSNSで検索を始めます。
どんな手段を用いてお店の情報に辿り着こうとするかは人によって異なります。
その結果、お店へお問い合わせするときに発信する電話番号は、参照した媒体によって異なるケースがあります。
何を見たお客さんからの問い合わせだったかを知るために、意図してお店が異なる番号を割り当てています。
効果を測定する目的で、複数の番号を使い分けている場合などは役目を終えたタイミングで、突然繋がらなくなったりすることもあります。