通信事業にかかわるビジネスパーソンとっては5Gが大きなビジネスチャンスになることは疑いようがありません。
しかしながら、いまだ全容がぼやけていてそれをどうビジネスに取り入れていくことが鉄板なのか?という核心まで落とし込めていないというのが実のところではないでしょうか。
輪郭がはっきりしてきてから腰を上げたのでは遅いのではないか・・・。
少しずつ、5G対応のスマートフォンがリリースされている今も、そんな不安が漂っているようにも見えます。
ITビジネスには開発や検証、PoCなどローンチまでにいくつもの段階があり、PDCAを無難に回しているだけでは後手にまわってしまいます。
電話について様々な角度から視点を展開する本サイトにおいても、「5Gとどう付き合いサービス価値や利便性を高めていくのか?」といった想像や仮説を挙げていきたいと考えていますが、まずは「5Gとはなにか?」というところからおさらいをしていきたいと思います。
5Gとは、第5世代移動通信システムの略称で4G/LTEに代わる新しい無線通信の規格です。
従来の通信と何が違うかという解説であげられる大きな3つの特徴として
・高速大容量
・低遅延
・多数同時接続
がよく挙げられます。
簡単に言ってしまうと
・ネット接続でぐるぐるしてイライラすることがなくなり
・動画などのリッチコンテンツがストレスなく見られたり受け渡しできたり
・災害時や大規模イベントでの集中アクセスによる接続不能状態がなくなる。
ということです。
これだけ聞くと、それって今までの進歩の延長線上にあるアップデートじゃないの?
わざわざ大騒ぎせずに、徐々に良くしていけばいいのに・・という気もします。
それなのに、5Gがこれまでの通信技術と一線を画す大発明のように取り上げられているのかそれには訳があります。
IoTという言葉を耳にする機会が増えました。
これは、あらゆるものがインターネットに接続することを指しています。
例えば、冷蔵庫ひとつとってもドアの開閉や、温度や在庫などがログ管理されビッグデータとして商品開発に活かされる。
食材の賞味期限切れを防ぐため、リマインドをしてくれたりと生活における利便性が向上するメリットがあります。
靴にチップが埋め込まれていれば、歩数やカロリー算出などヘルスケア領域で活かされることも実用化されていますし、外出先からスマホを使って宅内の家電を操作したり、そこで操作されたデータからニーズを見出すことも商用化されています。
あらゆるものからデータ収集が行われるにはさらなる通信スピードや通信容量が求められます。
それらの恩恵を享受する上で欠かせない技術要素として5Gが必要不可欠と語られているのです。
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)絡みのサービスは増え、画面の向こう側の世界として体感できたものの実のところ遅延が少なくなく、現実の垣根を越えて生活まで入り込んできていないのが現状です。
ARの楽しみ方を世に知らしめたポケモンGOや、SNOWに代表される着せ替えカメラなどその技術に感動はしましたが、産業として飛躍するにはデバイスの画面から飛び出てコミュニケーションできてこそ実用レベルとなります。
ポケモンGOやSNOWの技術はその下地を作った功績がありますが、今以上の没入感をもたらすにはやはり通信速度や通信容量の壁があります。
そして、そのカギを握るのも やはり5Gの登場であると期待されています。
自分がポケモンマスターとして等身大のポケモンと対峙したり、炎などのエフェクトを自在に操れたりしたら今以上の興奮が待ち受けていることは間違いありませんね。
これらの想像は、一昔前まではSFさながらで遠い未来の絵空事だったかもしれませんが、手を伸ばせば届く距離にあると思えるのは恐るべき進歩です。