顧客情報のないユーザーとの商談を優位に進めるには?アンノウンカスタマーへ行えるアプローチ

アンノウンマーケティング

◆顔の見えないユーザー相手に少しでも優位に商談する試み

オンラインで流入してきたユーザーに対してオンライン上でリードジェネレーションを行う方法について紹介してきました。

オンライン上で個人情報を取得できなかったユーザーに対して、オフラインでアプローチすることはできるでしょうか。

おそらく、情報が足りず追客まで行う方法はなかったと思います。

しかし、Mtame株式会社の提供するマーケティングオートメーションツール「BowNow」では、サイトを閲覧しているユーザーのIPアドレスから企業を特定しリード情報を表示することができます。

仕組みとしては、あらかじめBowNowのデータベースに企業のIPアドレスが登録されており、ユーザーがアクセスしてきた際のIPアドレスがデータベース上のIPアドレスと一致した場合に表示が可能になります。

そのためデータベース上に登録のない企業のIPアドレスは特定できませんが離脱してしまったあとはほぼ打つ手なしとされていた追客の方法が一つ増えたという点で画期的な仕組みではないでしょうか。

ただし、企業までは特定できてもどのデスクで見られていたかまでトラッキングできなければ、担当者に取り次いでもらうのはもう一段階乗り越えるべきハードルが存在するようにも思えます。

ユーザーも日々、メールボックスに届く大量のメルマガが増えるたびに資料DLや会員登録が必要となるサイトの閲覧に対して、慎重になっていきます。

営業されることを疎ましく思う担当者の中には、社用のメールアドレスではなくヤフーメールやGメールなど個人のアドレスを使ってダウンロードして営業行為を逃れようとする方もいます。

サイトを離れていってしまったユーザーを追いかける行為は企業のモラルも問われかねないので、やりすぎは禁物です。

北風と太陽ではないですが、強引に迫れば迫るほどユーザーは警戒心を抱きがちです。

より自然に自分の土俵に引き込み、いつの間にか魅了されていたというおもてなしができれば美しいですね。

◆オンラインで情報収集してきたお客さまからオフライン(電話)でお問い合わせいただいた時の対応

ウェブ上で様々なページをみて、納得されたり不明点を確認したい場合に電話をかけられるお客様は一定数存在します。

その際に、かけてきた方がどのページを見ていて質問されているのか受け手側にもわかれば、ご説明に手間取ることは少なくなります。

カスタマージャニー

さらにサイト内のどのページをよく見ていたか、同じ商品を熱心に見ていたとしてもスペックを気にしていたのか、値段を気にしていたのか、または新品を見ていたのか、リユースを見ていたのかなどの属性や傾向がわかっていればそれを見越した対応を行うヒントになります。

一部のコールセンターでは、顧客体験価値を高めるためにユーザーのサイト回遊の情報が手元にある状態で会話できるような体制を整えています。

サイト上から得られる情報を収集し、実用的なレベルでオペレーターに渡すためには裏側でどのような機能が必要でしょうか。

まず、ユーザーが見ていたページやクリックするボタンがどのような意味を持つのかという明確にすることが必要です。

さらにページやボタンに重み付けを行い、重要度に応じてアクションの一つ一つにスコアを持たせます。

スコアリングのルールが細かく設定されていたり、大量のデータから見込みや購買に至るユーザーの蓄積データから、勝ち筋が見いだせていれば、会話を先回りし背中を押してあげられるような対応が可能かもしれません。

アプローチしたのがコールセンター側だったか、問合せをくれたのがお客さんだったかの違いはありますが、準備が整った状態で商談を開始できるという意味で問合せ予備軍の情報を収集してくれるシステムの働きはよくできた営業アシスタントさながらです。

有効な個人情報を簡単に差し出してくれなくなった今、手にできる情報からヒントを発掘し商談を優位に進める発想が必要です。

お客様からでてきそうな質問の回答を準備したうえで、会話を始められたり、閲覧ページの情報から趣味嗜好を割り出し刺さりやすい提案ができることで信頼を勝ち取れる可能性も高まるでしょう。

逆に、何を聞いても即答できないオペレーターにはお客様もイライラしてストレスを抱いてしまいます。

前者と後者では、どちらがサービスに対する顧客満足、顧客体験が高くお客様に選ばれるでしょうか。

答えは明白ですね。

日々進化するサービスの情報を更新し続けるにはオペレーターの努力が欠かせません。

しかし、システムによるアシストがあれば個人差のあるスキルや、トークのブレを補うこともできます。

少ない情報から利益を最大化するため、個人スキルとテクノロジーのバランスは様々な場面で語られると思いますが最も重要な視点は「お客様にとってなにが求められるか」ではないでしょうか。

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