その理由が、先ほどお話しした『電話連絡』です。
確かに、口頭で直接言葉を交わさずにやり取りができるUberは、現地の言語やスラングに慣れていない方などにとってはオーダーが簡単で利用しやすいサービスかもしれません。
しかし、店舗や配達人とのコミュニケーションをチャットとプッシュ通知だけで完結させようとすると、遅延が生じた際の連絡が不十分だったり、料理が到着していることに気づかないというハプニングも起こってしまいます。
新型コロナウイルスの蔓延を受けて宅配サービスがすべて『置き配』に切り替わったこともあり、玄関先に届いた料理が冷めてしまってからようやく通知に気づくというケースを私も何度か体験しました。
さらに、街中を自転車やバイクで移動する配達人のインターネット環境が不安定なためにスムーズにチャットができないというインフラによるストレスを感じたことも一度や二度ではありません。
多少、遅くても待つ以外の選択肢がなく心細い思いに襲われたのを今も覚えています。
一方で、Thuisbezorgdの店舗や配達人は、オーダーの受け渡し時や到着時に直接電話をかけてきます。
アプリ画面を凝視してステータスの変化を気にしてソワソワする必要もありません。
他のアプリを開いていても、料理が到着すれば確実に気づくことができるのです。
電話で知らせてくれるThuisbezorgdにおいてはいつでも温かい料理にありつけることができました。
ただし、電話連絡もいいところばかりではありません。
オランダ語しか話せないThuisbezorgd配達人のおじさんから電話をかかってきたものの・・・
お互いに話がかみ合わず激怒されたこともありました。
今回はオランダでも知名度の高いフードデリバリーサービスのお話を紹介しましたが、通知の仕方ひとつとってもポリシーが分かれるのは興味深いポイントですね。
例えば、足腰の弱った年配がデリバリーを利用する場合は「確実に気付く連絡手段」が求められるイメージがわきます。
今後はデリバリーサービスも利用者の属性に合わせて多様化が進むかもしれません。
日常生活のコミュニケーションはチャットツールやSNSに依存している私ですが、宅配サービス利用時ばかりは確実に・リアルタイムで情報を伝達してくれる電話のありがたみを実感しました。