4マス広告という言葉は、今では少し古い印象になりつつあります。
かつて絶大な影響力を持っていたテレビ、新聞、ラジオ、チラシなどのオフライン広告は、インターネット広告の台頭により存在感が薄れてきました。
しかし実際には、多くの企業がいまもなおテレビCMやラジオ広告を流し、チラシやDMにも継続して予算を投じています。
では、主戦場をデジタルに奪われたオフライン広告が“今でも活用され続ける理由”はどこにあるのでしょうか。
また、広告効果をしっかり出せる企業と、成果に結びつきにくい企業では何が違うのでしょうか。
今回はその背景を踏まえつつ、DM(ダイレクトメール)との効果的な付き合い方をお伝えします。
目次
DMは、スマートフォンやPC、電話機などといったデバイスを使わず一度に多くの情報を伝えることができる広告施策です。
情報を受け取ったユーザーが関心を持てば、購買や利用に直結する可能性もあります。
営業が足を使わずとも、反響だけで収益が生まれる可能性を秘めているのがDMの強みです。
特に、デジタルに触れにくい層や高齢の方にもリーチできる点は、現代でも高く評価されています。
一方で、リストさえあれば手軽に実施できる反面、印刷・封入・送料など一定のコストが掛かるため、費用対効果を最大限発揮しなければ“無駄な施策”になりかねません。
広告施策で成果を得るには「適切なタイミングで届けること」が不可欠です。
DMも例外ではなく、ユーザーが興味・関心を持ちやすい瞬間に届くかどうかで反響が大きく変わります。
印刷会社の中には、宛名印刷から封入、発送まで一気通貫で行うサービスを提供している会社が増えました。
大量発送の場合、納品から発送までのタイムラグ、宛名印字、ラベル貼りなどを逆算したスケジューリングが必要です。
また、手書きメッセージを加えるなど、業種に合わせた“ひと手間の演出”が反響を左右することも少なくありません。
こうした工夫を積み重ね、さらにABテストで比較・検証を繰り返すことで、成果の出るノウハウが蓄積されます。
DMの効果を最大化できる“瞬間”に有益な情報を届けられるかどうか。
そこを精度高く狙えるようになれば、DMは決して侮れない施策となるでしょう。

テレビCMは認知拡大において非常に強力です。
多くの人の記憶に刷り込み、商品やサービスへの関心を高め、結果的に売上につながる好循環が期待できます。
しかし、テレビCMの課題は費用対効果が見えにくいことです。
効果測定の仕組みがなければ、施策継続の判断も、改善点の発見もできません。
一方DMは、テレビCMほどの認知力はありませんが、
どのユーザーがどのように反応したかを細かく計測できる点が大きな強みです。
住所、性別、年齢層、エリアなど、反応ベースのセグメント情報を可視化できるため、次の施策に生かしやすい特徴があります。
さらに、地域ポスティングなどであれば、
1,000通・10,000通といった単位で広告費と反響の関係を現実的に測定でき、コストパフォーマンスを最適化しやすい施策です。
DMとテレビCMは同じ「広告費」でありながら、
果たす役割がまったく異なる広告手法と言えます。
もちろん、テレビCMに向いた業種・企業があるのと同様に、DMにも向き不向きがあるため、媒体選定は重要です。
DMは、消費者の購買心理を刺激し、一定期間内に利用・購入してもらうことを目的とした施策です。
そのためにも、部署間で連携しながら進行管理を行うことは基本中の基本です。
闇雲にDMを送るだけではコストが膨れ上がるだけ。
ターゲットが「法人」なのか「個人」なのか、オンライン施策との相性はどうか、オフラインが効きやすい領域なのかを事前に見極める必要があります。
紹介する商品やサービスが「顧客にどんなメリットをもたらすのか」を明確に伝え、
現在の集客方法や広告施策の成果を可視化することで、送付タイミングの精度も上がり、開封率・反響率を引き上げることができます。
せっかく費用をかけて送付するDMも、開封されなければ意味を持ちません。
むしろ、望まれないDMは“迷惑行為”と捉えられ、ブランドイメージを損なう可能性すらあります。
最近では、ゴミ袋も有料化され、不要なチラシやDMが嫌われる傾向はますます強まっています。
少し強い言い方になりますが、価値のないDMは嫌われるだけという現実を忘れてはいけません。
しかし裏を返せば、価値あるDMが届けられたとき、その反響はダイレクトに売上へ結びつくということです。
そのためには、センスに頼った「当たればラッキー」ではなく、
データと根拠に基づく計画的な施策が不可欠です。
運任せの施策は、もはや「博打」と言われても仕方ありません。
広告費は企業の財産を使っているという意識を持ち、
限られた予算で最大の成果を出すためにも、DM施策は科学的に、戦略的に取り組むべき広告手法なのです。
◆DM施策の効果測定には「コールトラッカー」が有効
DMの成果を最大化するには、反響を正確に把握し、改善につなげる仕組みが欠かせません。
しかし、どのDMがどれだけ問い合わせにつながったのかを可視化するのは容易ではありません。
そこで役立つのが通話計測ツール「コールトラッカー」です。
電話問い合わせの発生源を正確に把握し、媒体別の反響を数値で分析できるため、DM施策の最適化に直結する確かな判断材料を得られます。

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