D2C最前線 シニア顧客との最適なコミュニケーションを考えよう

シニア世代コミュニケーション

「シニア層にもLINEでOK」の落とし穴

一方で、これらの新しい媒体はシニア顧客とのコミュニケーションという観点から考えると、いくつか問題を抱えています。

まず、TwitterやInstagramといったSNSは人口全体で見れば利用率は高いかもしれませんが、ユーザー数のうちシニア層が占める割合は決して多くないはずです。

そもそも若者をターゲットとするアパレル・コスメ・エンタメ業界などであれば理想的なコミュニケーション手段でしょう。

というのも、LINEを始めとするチャットアプリは、シニア層が使う携帯端末との相性はよくない場合もあるからです。

60代以上のシニア層におけるスマホ所持率をみてみると、スマホが台頭した2010年代前半から年々上昇し続けており、2021年現在では85%近くのシニアユーザーがスマホ端末を所持しているようです。

ただ、スマホはスマホでも、シニア向けの端末を選ばれる方も多いようです。

「らくらくスマートフォン」(通称 らくらくスマホ)という機種の一部では、OSバージョンアップの関係でLINEのプッシュ通知機能が廃止されていたり、LINEサービス自体の提供が終了しています。

つまりらくらくスマホを使っているシニア層とのコミュニケーション手段にLINEを採用した場合、メッセージが届かないというリスクがあるのです。

実際にらくらくスマホを使用している私の祖母も、LINEアプリこそインストールしているものの、プッシュ通知が行われないためチャットやLINE電話が入っても気づきませんでした。

数か月前に私が祖母に送ったメッセージは、悲しいことに数か月経った今でも「未読」のままになっています。(もちろん、祖母は健在です)

同じように、せっかく企業や店舗がコストを投じてシニア顧客へのメッセージを発しても、それが顧客本人には届かなければ意味がありません。

顧客とのコミュニケーション手段を選定する際には、顧客の年齢層やIT利用実態に加え、顧客が使っている媒体に確実にメッセージが届くのか、実際に読んでもらえるのかといったテクニカルな事情も考慮する必要がありそうです。

シニア顧客は、SMSの方が相性良い場合も

チャットアプリと同じようなメッセージ送受信ができ、かつシニア層の携帯端末でも確実にメッセージを受け取ってもらえる媒体としては、SMS (ショート・メッセージ・サービス)が有力です。

SMSというと、料金請求やアカウント認証といった事務的用途での活用を連想しがちですが、わかりやすさや9割以上といわれる到達率の面からもシニア顧客とのコミュニケーションに選ばれやすくなっています。

国内の主要な通信キャリアが提供する携帯端末では、SMSは電話やキャリアメールと同じく標準搭載の機能となっており、メールアプリと統合表示されているケースが多いようです。

購入した時には既にホーム画面に表示されており、ホーム画面をカスタマイズしないシニアユーザーにとっては、常に受信状況を確認できる項目の一つです。

ただ、一般的な携帯端末に搭載されているSMSは一対一の送受信が基本であるため、大勢の顧客に個別にメッセージを送信しようとすると、通信コストも人的コストもかさんでしまいがちです。

そのため、顧客数の多いシーンでは、ビジネス向けのSMS送信サービスを利用してみるのも一つの手です。

SMS送信サービスを利用するメリットとしてはこういった特徴が挙げられます。

  • 一斉送信できるので、1件ずつ送る必要がない。(人的コスト削減)
  • リッチテキストで、メッセージを充実させられる。(無機質なメッセージが多いSMSの中で目立つ)
  • 顧客リストの管理ができる
  • そもそも、SMSという媒体が高い開封率を特徴としている。

さいごに

テクノロジーの進歩に合わせて顧客コミュニケーションのカタチは変化し続けます。

それは受け手や発信側の相性によっては気づきにくくもなりますし、表現によっては伝わりづらくもなります。

顧客の奪い合いが激しい業界においては、メッセージ自体を充実させることはもちろん重要ですがそれと同時に、顧客の理解度に合わせて確実にメッセージを伝わりやすく届けることもまた、マーケティングコストを無駄にしないためにも忘れてはならない事柄です。

SMSを活用した顧客コミュニケーションに関心をお持ちの方、メルマガやLINEでイマイチ集客効果を実感できない企業担当者のみなさま、ぜひ一度弊社までお問い合わせください。

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