そんな初々しいエピソードとともに、インターン生からでんとら編集部に相談が持ち込まれました。
会話した内容を読み取って、人数、料金、時間、名前などの項目を適切な項目に自動転記する技術。
実はコムスクエア社の歴史には同様の課題に直面し、「通話からの自動転記」開発に取り組んだこともありました。
通話内容を一度録音、そこからテキスト化を行い、必要な項目の情報を抜き出す。
抜き出した情報を適切な項目に転記するという取り組みです。
しかしながら当時も、通話品質など条件が整わない限りは実用が難しく、別のアプローチから会話を転記することを乗り越えようと試行錯誤を繰り返していました。
美容室様の効率を重視しすぎると予約する側のユーザビリティに影響がある可能性も生まれます。
現状ではTくんのお悩みを解消するのに至りませんが、匙を投げるまえに考えられることはまだあります。
例えば自動は難しくても、簡略化はできる部分があるかもしれません
残念ながら、会話の内容がしっかり聞き間違えなくテキスト化できる技術はありません。
音声スピーカーやスマホへの音声入力の精度を見てもわかる通り、一語一句もれなく文字起こしするのは無理があるので、少なくとも電話を受けた人が復唱するなどのひと手間を付け足す必要があるでしょう。
営業電話が、店舗営業にかかってくるのは避けようもないのですがお店の営業を円滑にするためには対策しなくてはなりません。
「必要な電話にのみ対応する」ためにはガイダンス再生などの一次対応で目的を切り分けることが有効な手段です。
予約のお客様、道案内希望、営業電話などを一次仕分け、電話対応の半自動化を実現して予約だけに対応する仕組みは一週間程度で整います。
道案内を希望されるお客様にはSMSを自動送信してあげるなどの工夫も喜ばれますね。
また、ご年配のお客様の中には機械音声が苦手だという方もいらっしゃいます。
印象が大切なお客様商売ですので、必ずしも機械音声をつかう必要はありません。
いつものスタッフの声でガイダンスを用意することでお客様の抵抗感もやわらぐでしょう。
「電話対応の予約業務を自動化するのはまだ、難しそうですけどその他の電話業務で接客を中断されるリスクを減らす仕組みはすぐにでも整えられそうですね!」
そう言い放つとTくんはフロアを飛び出した。
どこへ向かったかは知る由もないが彼の手には映画のペアチケットが握られていた。
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