働き方改革や、長引くコロナウイルスの影響によるテレワークシフトの流れで会社の電話窓口を見直す動きが広がっています。
電話対応の効率化を目的として自動音声案内サービス(IVR)を導入している店舗様や企業様など幅広い領域で活用されていますが、近年ではボイスボットという音声案内サービスも生まれています。
新しい音声案内サービスが出てきたことで、必然的に「IVRとボイスボット、どちらを導入するべきなの?」といった議論がでてくることでしょう。
実際には、従来のIVRとボイスボットそれぞれにメリット・デメリットがあり、それによって利用に適したシーンも変わってきます。
IVRは、顧客からの電話に対して事前に録音した音声データを流し、問合せ内容に応じて顧客にボタンプッシュ操作をしてもらうことで担当オペレーターに案内する樹形図状のシナリオに基づいて設計されています。
IVRでは、「顧客が1を押したらこのスクリプトを案内、2を押したらこのスクリプトを」というように、想定できる問合せ内容をあらかじめ整理しておき、各問合せに対して決まった案内を設定しておくことができます。
幅広い質問から始まり、フローが進行するにつれてより明確な問合せ内容に絞り込まれていきます。
IVRが採用するこの樹形図状のシナリオは、電話をかける側の顧客と対応をするオペレーター側の双方にメリットをもたらします。
例えば、購入した製品の使用法についてオペレーターに教えてもらいたくても、自身が抱えている質問を上手く言語化して説明できなかったり、そもそも何をどうすべきかすら分からない、というお客様もいるでしょう。
このような漠然とした問合せに対しても、IVRなら限定していくことで顧客自身が抱えている問合せに気づかせてくれることもあります。
また、オペレーターにとっても、不明瞭な問合せへの対応にかかる時間を短くすることができます。
直接声を交わす前に顧客・オペレーターともに問合せ内容を把握できていれば、一件ごとの問合せ対応がスムーズに進行するため、話者同士の心的ストレスも軽減されるはずです。
一方で、問合せ内容やどう対応してもらいたいかがあらかじめ明確に決まっている顧客にとっては、順番に1ステップずつ案内されることを冗長だと感じる場合もあるでしょう。
オペレーターと話すまでの待ち時間が長くなればその分、お客様不満に感じますし、ボタン操作のミスなどで必要以上に時間がかかってしまった場合なども顧客満足度は低下してしまう可能性があるのです。