目次
「友達とのやり取りは基本、LINEで」
「バイトの事務連絡はLINEのグループチャットで」
「好きなあの子への告白も、こわいからLINEで」
「IT技術の進歩」と言われてもなかなかピンとこない・・・
それが物心ついたころからスマホやSNSに囲まれていた私の感覚です。
私を含め10代、20代のコミュニケーションはデジタルツールなしには成立しません。
バキバキのビジネスマンには鼻で笑われてしまいそうですが、同世代の友達とはすべてLINEやSNSで完結させることが当たり前な私にとって、「電話対応のマナー」や「メール書き出しのルール」が堅苦しく決まっているコミュニケーションにはそれだけで目に見えないハードルがあるようにすら感じてしまうのです。
「相手の時間を無条件で奪ってしまう行為」と言い切ってしまうと電話そのものが悪いように感じますが、果たして電話は百害あって一利なしなのでしょうか。
1990年代後半以降に生まれたいわゆる『Z世代』に該当する私も、日常生活の連絡の多くはLINEやSNSのメッセージが大半で、人と電話で話すという機会は滅多にありません。
LINEなどのメッセージなら内容や受け手の状況を気にすることなく、たとえ真夜中であっても送ることができるからです。
どんなに深い仲であっても、真夜中に目が覚めたからと言って電話をかけてくるような友達は即座に非常識認定し、着信拒否リストに並ぶことになります。
さらにここ数年では、電話によるコミュニケーションの多くは今まで以上にチャットなどのテキストで代替されるようになりました。
集中力や作業効率の妨げになるという理由から、オフィスから電話をなくしたり受電業務を外部に丸ごとアウトソーシングする企業も増えています。
テレワークに移行した際に、運用を見直すきっかけになったのかもしれません。
電話をかける前にメールやチャットでのキャッチボールを経て、解消できないところのみ電話で確認する。
意識してみてみるとなるほど、円滑に仕事を進めることに脳みそを使っている人こそ、手段を適切に使い分け停滞させない仕事術が身についているものです。
相手に手間をかけさせない配慮や工夫が欠けていると「コミュニケーションコストの高い人」という目で見られてしまうリスクもあります。
例えば会議中ですと「電話でこってり話す時間」はないけど「届いたチャットにレスはできる」かもしれません。
電話という選択肢しかなければ、繋がるまで進展しない「滞空時間」が生まれてします。
電話やテレフォニー技術に所縁のある責任者の方ですら、メイン業務に割り込んでくる電話を煩わしいと感じている場面もあるのです。(リンク:「電話の煩わしさ」をコールトラッキングツール販売責任者が語った)
また、皆さんもイメージしてみてほしいのですが 要点がまとまっていない長~い話を聞かされて内容理解にものすごく脳みそを使わされた実体験はないでしょうか。
日常生活でも、長くて結論がよくわからない長話に出くわすことはありますがカスタマーサポートのような電話窓口でも似たような現象が起きています。
「状況もうまく説明できないけど、とりあえず電話して何とかしてもらおう。」
こんなニュアンスの問合せは、サポートスタッフの神経を消耗してしまいがちです。(人がストレスを感じる行為を代替するとバリューが生まれるという意見はここでは置いておきます)
総合すると、日常生活とビジネス業界の両方において、『電話=制約の多い、過去のコミュニケーション手段』という認識が定着しつつあります。