ここ数年で一気に認知度が向上したフードデリバリーサービス「Uber Eats」。
とくに、新型コロナウイルス拡大によって在宅時間が増えてから頻繁に利用するようになったという方も多いのではないでしょうか。
フードデリバリーは、自宅やオフィスに居ながらレストランの食事を楽しめる人気のサービスです。
Uber Eats以外にも、2022年時点で日本国内には10を超えるフードデリバリーサービスが存在しています。
サービスごとに提携しているレストランや利用料金に若干の違いは見られるものの、利用方法に関して言えばどのサービスにも大きな差は見られません。
食事を注文したいユーザーはモバイルアプリやWebサイトからオーダーを済ませ、あとは配達パートナーの到着を待つのみという流れがスタンダードとなっています。
飲食店側でも、フードデリバリー用に設置されたタブレット端末などで注文確認をするというケースが多いようです。
つまり、Uber Eatsをはじめとするフードデリバリーサービスは、注文から配達・提供まで一貫してWeb上で完結しているのです。
直接店舗に電話して食事を注文しなくていいため、声でのやり取りを嫌う傾向にある若年層のユーザーなどにとっては非常に嬉しい仕組みでしょう。
また、店内の営業に追われる飲食店側にとっても、毎回電話注文が舞い込んで業務が中断してしまうという事態を防ぐことができます。
一見、Webで完結するフードデリバリーはユーザーにとっても飲食店にとっても理想的な選択肢のように思えますが、思わぬ落とし穴も存在します。
タブレット端末への通知は視覚的な伝達手段であるが故に、オーダーが発生したことを飲食店が見落としてしまったり、気づくのが遅れる可能性があるのです。
実際にUber Eatsヘビーユーザーである筆者自身も、料理を注文してからしばらく経った後に「オーダーに気づくのが遅れたので、配達までに時間がかかる」という連絡を店舗からもらった経験があります。
他にも、Webオンリーのフードデリバリーサービスでは移動中の配達パートナーとコミュニケーションを取りづらいというデメリットがあります。
フードデリバリーのなかには、注文後のアプリ画面から配達パートナーにメッセージを送信できるサービスもあり、ユーザーが具体的な受け取り場所を指定したり、配達遅延などの緊急時に連絡手段として活用されるのが一般的です。
ただ、自転車やバイクで届け先に向かっている間は、まずメッセージに気づいて貰える確率は低いでしょう。
また、移動中はインターネット通信が不安定になりがちで、通信が途切れてしまうこともしばしば。
仮にメッセージに気づいたとしても、わざわざ配達中に止まってテキストの入力を行うのはハードルが高いように感じます。
Webで完結するサービスは利用者の心理的負担を抑えることができますが、一方でより確実かつ迅速にメッセージを届けたいシーンでは、どうしても不安が残るのです。