社会環境の急激な変化をきっかけに、働き方の見直しが一気に進みました。
感染症対策を背景にリモートワークが一般化した一方で、移行が難しい業種があることも浮き彫りになりました。その代表例が、コールセンターやコンタクトセンターです(以下、Cセンター)。
Cセンターは、密閉・密集・密接といったいわゆる「3密」環境になりやすい職場でありながら、業務特性上、リモートワークへの切り替えが容易ではありません。
実際、感染リスクへの不安を抱えたオペレーターが、勤務環境の改善を求めた事例は大きな議論を呼びました。
外出機会が減少し、在宅時間が増えたことで、問い合わせ件数はむしろ増加。Cセンターは平時以上に多忙を極める状況が続いたと言われています。
一方で、Cセンターは契約情報や利用履歴など、極めて機微な個人情報を扱う現場でもあります。
自宅などのテレワーク環境から社内システムへアクセスできる状態は、情報漏えいリスクと常に隣り合わせです。
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Cセンターでは、個人情報管理に関する厳格なルールが設けられ、従業員にも徹底した遵守が求められています。
そのため、レイアウト変更による座席間隔の確保、時差出勤、機器の消毒や換気といった対策にとどまり、抜本的な働き方改革に踏み切れなかった現場も少なくありません。
リモートワークを早くから推進してきたサイボウズ社の青野慶久社長もコールセンターだけはオンライン移行が難しいとしており、その最大の理由は、やはりセキュリティです。
契約状況や利用履歴といった情報はデータベースへのアクセスが不可欠であり、閲覧制限をかけたうえでメールやWeb対応に限定しているケースもあります。
しかし、電話であれば伝えやすいニュアンスや安心感が失われ、結果として機会損失につながる可能性も指摘されています。
一方で、成功事例がないわけではありません。
たとえば保険会社のチューリッヒでは、以前から仮想デスクトップ環境を整備し、個人情報を社内ネットワーク外へ持ち出せない仕組みを構築していました。その結果、早い段階で大半の業務を在宅へ移行することができました。
海外でも、通信事業者が短期間で数千人規模のオペレーターをリモート勤務へ切り替えた事例があります。
こうした例を見ると、「個人情報管理」以外にも、リモート移行を阻んでいた要因が存在するのではないかと考えさせられます。
運営や管理を担う管理職層は比較的リモートワークへ移行しやすい一方、電話対応を担うオペレーターは難しいという結果が多く見られます。
その理由として最も多く挙げられるのが「環境の不整備」です。
自宅に業務用PCやヘッドセット、安定した受電環境が整っていないといった設備面の課題は、セキュリティ以上に大きな障壁となっています。
加えて、トークスクリプトやFAQ、顧客管理システム、応対内容をモニタリングする体制など、オフィス前提で構築されてきた仕組みも、リモート化を難しくしています。
それでも、オペレーターの間では在宅勤務を望む声は少なくありません。
顧客満足と従業員の働きやすさ、その両立をどう図るかは、今後のCセンター運営における重要なテーマと言えるでしょう。
「電話がつながらない」「何度も同じ説明をさせられた」
こうした不満は、いまやSNSを通じて瞬時に拡散され、サービスの評価を大きく左右します。
だからこそ、問い合わせの目的を正しく受け止め、適切に解決へ導く体制が欠かせません。
すべてを人が対応すれば手厚いサポートは可能ですが、その分、対応時間の長期化やオペレーターの疲弊を招く恐れもあります。
Cセンターでは以前から、問い合わせ内容を分析し、FAQを整備するなどの改善が重ねられてきました。しかし、新サービスや新プランが追加されるたび、問い合わせ内容は変化します。そこで重要になるのが「コールリーズン(問い合わせ理由)」の把握です。
どのような問い合わせが、どのチャネルに集中しているのかを可視化し、事前に“答え”を用意することが、対応の最適化につながります。![]()
問い合わせ内容に応じて、
この3ステップを回すことで、顧客満足度と従業員の労働環境、双方の改善が現実的になります。
コールセンターの負荷を下げる第一歩は、問い合わせの実態を正しく把握することです。
コールトラッカーは、電話の発生元や時間帯、内容傾向を可視化し、「なぜ電話が鳴っているのか」を明らかにします。コールリーズンの分析をもとにFAQや導線を改善することで、不要な受電を減らし、オペレーターが本来対応すべき問い合わせに集中できる環境づくりを支援します。

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