ビジネスにおいて、お客様やスタッフとの円滑なコミュニケーションは重要な意味を持ちます。
ビジネスシーンでの連絡手段としてメールやチャットツールが当たり前になった今、電話を使うのが煩わしいと感じるビジネスマンは多いのではないでしょうか。
通信キャリアのテレフォニー事業責任者へのインタビューでは、電話サービスを提供する側のスタッフでさえ、かかってくる電話に煩わしさを感じているという衝撃の事実が明らかになりました。
SNSを覗いてみれば、「営業電話をやり過ごすのに労力が割かれて困る」といった声や、「取引先とのやり取りに電話を使うのはやめたい」といった不満が聞こえてきます。
このようにビジネスにおいて電話を快く思わない感覚は、大手通信事業者の経営層すらも例外ではありません。
先日、いつものようにお気に入りのWebメディアをチェックしていると、こんな記事が目に入ってきました。
”電話が嫌いな高橋さん(57才)が作った、新たな電話システム「kinfone」電話とkintoneの連携が生む価値とは?”
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これは、言わずと知れたビジネスアプリ構築サービス kintoneを販売するcybozu社が、ユーザーや社外エキスパートを招いて開催したイベントで発表されたアイデアです。
プレゼンの登壇者は、KDDIウェブコミュニケーションズの高橋氏。
自らも「電話嫌い」であることを公表している高橋氏は、従来のビジネス電話が抱える課題に対する解決策として、kintoneとの連携に特化した電話アプリ「kinfone」を提案しました。
高橋氏によるプレゼンの趣旨は、SIPアプリ (スマートフォンでIP電話を利用するためのアプリケーション) とkintoneで作成した電話帳・発着信履歴アプリと連携させることで、電話を快適に使えるようにしようというもの。
kinfoneは、
といった機能に対応しているそうです。
これらの機能に目を向けてみると、kinfoneの魅力は顧客管理・問い合わせ管理と電話応対を密接に結びつけることで、電話に紐づく業務・タスクを効率化してくれることにあるのだとわかります。
一般的に、電話応対と顧客・問い合わせ管理はそれぞれ個別に行うタスクです。
電話応対は電話端末で、情報入力はPCでの作業となるわけですから、これら両方をこなそうとするだけでも、担当者のリソースは大きく削られてしまいます。
また、電話取り次ぎを人力で行うのは単に労力がかかるだけでなく、受電漏れによる機会損失を生みかねません。
電話応対を基幹業務とするコールオペレーターであれば大きな問題にはならないかもしれませんが、セールス担当者や情報システム部門など、電話とは別に本来の業務を抱えるビジネスマンにとって、電話に時間や労力を奪われてしまうのは好ましくことではないでしょう。
kinfoneを使って電話の発着信をkintone上で制御したり、受電の仕組みをある程度自動化することができれば、電話応対とその後の作業をスムーズに進め、本来の業務に充てるリソースを確保できるようになるはず。
このような解決策を、「電話に抵抗を持つ電話ユーザー」ご本人が考案したという事実が非常に興味深いですね。